人事労務Q&A

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休職者の復職は認めるべきですか?

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question

6ヶ月ほど休職していた従業員Bが、復職を申し出てきました。
復職を認めるべきでしょうか?
従業員Bは以前にも同じ傷病を理由に休職したことがありました。また復職の申出の際、提出された医師の診断書には、「8時間は難しいが、3、4時間程度なら就労可能」と記載がありました。

anser

復職を認めるかどうかは、医師ではなく会社が判断します。医師の診断書はあくまで参考資料のひとつです。
休職中の労働者を復職させるかどうかは「業務を遂行できるか」によります。本来の業務を100%こなせないのであれば、労働契約を完全に履行できていないわけですから、復職を認めず完治を待つことも選択肢の一つです。
今回のご相談では、診断書には「3、4時間程度就労可能であること(一部就労可能)」と、「過去に同様の傷病で休職していること」から、(退職も視野に入れる場合は)完治するまで復職を認めない方がよろしいでしょう。
ただし、100%の業務遂行は難しくても、一部就労可能であれば、近い将来完治する事も予想されます。比較的軽易な業務に就かせたり、労働時間を調整するなどして、ゆっくりと本来の業務に近づけていくことも、リスク軽減手法の一つといえるでしょう。

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トラブル回避のためのステップアップ!

休職に関する定めは、法律のどこにも記載されていません。したがって、就業規則の定めに従う事になります。就業規則の定めは、使用者の権利を守る事もあれば義務を負うこともあります。それは労働者にとっても同様です。むやみにどこかのHPや他社の就業規則をそのまま自社の就業規則に転用してしまうと、思わぬ権利義務が生じてしまいます。特に休職に関する定めはいくつかの落とし穴が存在します。
まずは、ご自身の就業規則が落とし穴にはまっていないか次のチェックを見てみましょう。

休職規定のチェックポイント
 1 ) 休職期間を勤続年数等で分けていますか?
 2 ) 休職辞令までの欠勤期間が長くなっていませんか?
 3 ) 復職時の処遇、業務について会社が判断できるようななっていますか?
 4 ) 同一傷病による休職期間を通算する定めはありますか?
 5 ) 医師の診断書の提出を義務付けていますか?
 6 ) 産業医や会社指定の医師の診断について実施できる定めはありますか?
 7 ) 休職期間満了時の取り扱いが解雇なっていませんか?
 8 ) 断続的な欠勤も休職辞令の対象にしていますか?
 9 ) 休職期間中も定期的に連絡を取っていますか?
10 ) 就業規則の退職事由や解雇事由に「労務に堪えられない場合」「休職期間を満了した場合」等が挙げられていますか?
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有給休暇が退職時に未消化の場合はどうしますか?

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question

今月退職を予定する労働者Aさんから、「退職日までの2週間(14日)、有給を使いたい」との申出がありました。
会社としては、引継ぎのこともあり退職日まで勤務して欲しいのですが、有給を買い取っては、いけないのでしょうか?

anser

法律では、年次有給休暇の買い取りに関する定めはありません。
そもそも年次有給休暇は、労働者の疲労蓄積に配慮したリフレッシュの為の制度です。したがって、年次有給休暇を買い取ってしまう事は、その目的に反してしまいます。とはいえ、消化しきれずに時効を迎えてしまうのも、労働者からしてみれば少々残念なものです。
そこで次の3つの場合については、買い取りも認められると考えられています。

  • 1 ) 時効により消滅する分
  • 2 ) 退職時に消化しきれなかった分
  • 3 ) 法律が定める日数を上回って与えられた分

ひとつずつ解説します。

  • 1)について、年次有給休暇の時効は付与から2年とされています。2年を経過するとその権利は消滅してしまいますから、消滅する分を買い取る分には目的に反しておらず問題ありません。
  • 2)について、当然のことながら退職してしまえば年次有給休暇を消化する事は出来ません。退職時に未消化分があれば退職と同時にその権利も消滅してしまいます。1)と同じく消滅する分に関して、買い取る分には目的に反しておらず問題ありません。
  • 3)について、通達により法定を超える分に関してはその取扱を労使に委ねていますから、買い取る事も認められるといえます。【昭23・3・31基発513号 昭23・10・15 基収3650号】

今回ご相談いただいたケースは、上記2)に近いものといえます。
年次有給休暇には、労働者側の時季指定権と会社側の時季変更権の2つの権利が存在します。
簡単に言うと時季指定権は、労働者が「この日に休みたい」といえる権利をいい、時季変更権は、会社が「他の日に代えてくれ」といえる権利をいいます。ただしこの「他の日に代えてくれ」といえる権利は、業務の正常な運営を妨げるような事由がない限り言う事が出来ません。
業務の引継ぎという大事な理由はあるものの、「業務の正常な運営を妨げるような事由」に該当するかといえば一概には言えません。したがって、労使双方が納得できる範囲までは有給を認める方向でお話してみてはいかがでしょうか?

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トラブル回避のためのステップアップ!

年次有給休暇は、一定期間継続して勤務する事で与えられる労働者の権利です。
買取はもちろん、利用目的によって付与しなかったり、法定日数を与えていなかったりすると、法律違反となりますので、ご注意下さい。
年次有給休暇についてご自身の就業規則が落とし穴にはまっていないか次のチェックを見てみましょう。

年次有給休暇規定のチェックポイント
 1 ) 雇い入れから6ヶ月目に10日付与していますか?
 2 ) 買い取り制度を定めていませんか?
 3 ) 許可制にしてはいませんか?
 4 ) 利用目的を制限していませんか?
 5 ) 年次有給休暇時の賃金の定めを設けていますか?
 6 ) 年次有給休暇の申出期間を定めていますか?
 7 ) 年次有給休暇を取得した事で不利益になるような定めがされてはいませんか?
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パートタイマーの雇止めは容易ですか?

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question

この度、弊社○○産業株式会社で、パートタイマーAさんの雇用契約を更新せず雇止めをしようと思います。Aさんの雇用条件は1年間の契約期間で6回ほど更新していますが、契約書には「自動更新する」旨の定めがあります。
雇止めは可能でしょうか?

anser

有期契約の場合、定めた雇用期間が満了すれば自動的に契約は終了します。
更新する際も、原則として双方が合意の上で行われるものです。
とはいっても、更新がたびたび行われていたり、ご質問のように自動更新にしている場合は、労働者も「また更新するだろう」、「更新されるのが当然」といった、契約の更新に対する期待が大きくなってしまいます。
そうなると、純粋に契約期間が満了した事だけをもって、契約が終了するというのは難しくなります。仮に裁判等紛争になれば、期間の定めのない契約と同一視して契約が終了していないと判断される可能性もあります。

ご質問では、すでに「6回更新されていること」や「自動更新」の定めがあることから、(本来は他の諸条件も加味しますが)少なからずAさんは更新の期待をしていたことでしょう。まずはAさんに更新しないことを早めにお話し、理解を得る事が肝要です。
またすでに1年を超えて雇用されていますから、雇止めの予告も忘れずに行うようにしてください。

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トラブル回避のためのステップアップ!

有期契約の更新、雇止めについては、トラブルの原因となりやすく相談件数も非常に多いです。
トラブルの根本は「労働者の更新への期待」です。雇止めされることが分かっていればそもそもトラブルにならないわけですから、「期待をさせない(=雇止めに対する丁寧な対応)」を心掛ける必要があります。そのためには、契約に際し、または更新に際し、次の事項が出来ているかどうかチェックしてみましょう。

契約更新の重点チェックポイント
 1 ) 契約書に更新の有無を定めていますか?
 2 ) 更新の判断基準を定めていますか?
 3 ) 最終更新時の契約書に「雇止めの旨、その理由」を明確していますか?
 4 ) 自動更新の定めをしてはいませんか?
 5 ) 更新の都度、面談を実施していますか?
 6 ) 更新の都度、契約書を取り交わしていますか?
 7 ) 安易に更新に対する期待を抱かせるような言動をしてはいませんか?
 8 ) 有期契約者に、恒常的(期間の定めのない者と変わらないような業務)をやらせてはいませんか? (臨時的な業務なので、その業務が終了すれば、雇用も終了することが明白となる。)

最後に、可能であれば、雇止めではなく合意退職の方向性も検討すると、より企業にとってリスクの少ない手段となります。

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就業規則は届けでる?

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question

就業規則は、労働者が10名に達した時点で提出が必要と聞いたことがあるのですが、弊社は現在、正社員が8名、います。あらたに1名アルバイトを採用しようと思うのですが、就業規則の届出は必要ですか? なお、弊社には管理監督者が1名おります。

anser

労働基準法第89条では、『常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成しなければならない』としており、さらに『就業規則で作成した又は変更した就業規則を行政官庁に届け出なければならない』としています。次の2つの事項について、詳しく見ていきましょう。
1)作成の義務
2)作成後の提出

1)就業規則の作成の義務について
前述のとおり法律上常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成する義務が発生します。ここにいう常時10人以上の労働者とは、具体的には次のものが当てはまります。
1)アルバイト・パート従業員
(臨時的な雇用の者を除く ex:繁忙期の1ヶ月だけのお手伝い)
2)出向労働者
3)正社員(一般的には、期間の定めのない労働者)
4)管理監督者
※ 派遣労働者を受け入れている場合、派遣労働者と雇用関係にありませんから、派遣労働者の数は常時使用する労働者の数に含まれません。
※ 管理監督者も常時使用する労働者に含まれますので、ご注意下さい。
2)作成後の提出
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、
1)就業規則の作成義務に加えて、労働基準監督署への提出も義務付けられます。なお、現在では紙媒体による提出の他に電子媒体(FDやCD)での提出も可能になっています。
※ 届出に必要なもの
@ 就業規則
A 意見書 
B 就業規則制定届

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トラブル回避のためのステップアップ!

Q&Aにあるように、就業規則の届出義務は、10人以上労働者を使用する場合に生じます。とはいえ、就業規則はその事業場の労働条件全般を定める重要な役割を担っていますので、10人未満の事業所であっても、作成する事をお勧めします。
また、就業規則の作成は事業所単位で行う必要があります。 たとえば、本店と支店を有する企業であれば、本店の就業規則、支店の就業規則それぞれが必要(図1参照)となりますので、ご注意下さい。

図1

就業規則作成・提出のチェックポイント
1)就業規則は雇用形態ごとに作成していますか?
2)就業規則の絶対的記載事項(※)に洩れはありませんか?
3)労働者代表の選出は正しく行われていますか?(使用者が一方的に代表を決める事は出来ません)
4)労働者代表の意見を聴取していますか?
5)就業規則制定届け、意見書は準備できていますか?

※絶対的記載事項とは
就業規則に必ず定めなければならない事項をいいます。絶対的記載事項は次のとおりです。
・始業終業時刻、休憩、休日、休暇、交替制の場合の就業時転換に関する事項
・賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇事由も含まれる)

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健康診断は定期的に!

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question

この度、アルバイト従業員を雇い入れました。
アルバイトの従業員にも健康診断を受けさせる必要があるのでしょうか?

anser

労働安全衛生法では、健康診断の種類を次のように定めています。

(1)一般健康診断
・雇入れ時健康診断
・定期健康診断
・特定業務従事者(重量物の取扱や、深夜業を含む業務など)の健康診断
・海外派遣労働者の健康診断
・給食従業員の検便
(2)特殊健康診断
・特に有害であるといわれている業務(じん肺や、四アルキル鉛、石綿など)に従事する労働者等を対象として実施する健康診断


今回のご相談内容からはどういった業務をおこなっているか定かでありませんが、お困りの点は、雇入れ時の健康診断と定期健康診断の実施の有無についてではないでしょうか。

雇入れ時の健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れた場合に行うよう定められています。
この常時使用する労働者とは一体どういった労働者を指すのでしょうか。
これには次の要件があります。(平19.10.1 基発1001016号)

一般健康診断を実施すべき「常時使用する短時間労働者」とは、次の@とAいずれも満たす場合をいいます。

  • @期間の定めのない契約により使用される者であること。
    なお、期間の定めのある契約により使用される者であっても、更新により1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者は対象となります。
  • Aその者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分3以上であること
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健康診断実施のチェックポイント
1)雇入れ時に健康診断を実施していますか?
2)1年に1度健康診断を実施していますか?
3)常時使用する労働者の数が50人以上いる場合、検診の結果を監督署に提出していますか?
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徴収タイミングに注意!(社会保険料の徴収)

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question

健康保険料や厚生年金保険料は、月々の給与から天引きすることになっているかと思いますが、月の途中で入退職した方や給与の当月、翌月払いによって徴収方法に違いはあるのでしょうか?

anser

健康保険、厚生年金保険いずれも、前月の保険料を当月の給与から控除するものとされています。少々分かりづらいかと思いますが、例えば2月分の保険料は、3月に徴収しても良いということです。これを一般に翌月徴収といいます。

翌月徴収の流れ

では、月の途中に入社した場合はどうなるのでしょうか。たとえば、2月10日に入社した従業員がいる場合、社会保険料は2月分から生じます。この2月分の保険料は、翌月3月の給与にて控除が行われることになります。

月の途中に入社した場合
■給与の支払いタイミング(締め日と支払い日)から考える

次に、給与の支払い方には会社によって異なります。末日に勤怠を締め、翌月に支給する場合もあれば、月の途中で締めて、同月内に支給する場合も考えられます。では、2月10日入社を例にいくつかパターンを挙げながら、解説することにします。    

給料の支給パターン別図解
■退職時の保険料

保険料は月を単位として発生します。したがって、月の途中に退職したから、保険料を日割りするといったことは、する必要がありません。また、ここで注意すべき事は、社会保険の資格を失う資格喪失日は退職日の翌日であることと、資格喪失日の属する月の保険料は発生しないことです。 

退職時の保険料

2月10日に退職した場合を例に、同じくパターンを分けて解説いたします。 

退職時の保険料例
★末日退職は要注意

資格を喪失した月の保険料は発生しません。では例えば5月31日に退職した従業員の保険料はどうなるでしょうか?資格の喪失日は退職日の翌日ですから、この従業員は6月以降の保険料が発生しないことになります。 

では、5月31日退職の例を2つのパターンに分解しましょう。 

☆当月締め当月払い

会社の給与の締め日支払日には、当月締め当月払いのうち、末日締め当月25日払いのようなものもあります。
この場合、基本給等を前払いし、勤怠に応じた支給(割増賃金)と控除(遅刻早退控除)は、翌月に調整する形が一般的です。
この場合であっても、保険料は翌月徴収であるため、いままでと同じように保険料を徴収することに変わりはありません。
ただし、前述の通り基本給等は前倒しで支給しているため、最終給与は勤怠分のみとなります。したがって、月末退職の場合、翌月に支給される賃金は勤怠分のみですから、その額も非常に少なく、保険料を徴収できない場合も多々あります。この場合は、2か月分を当月から徴収する事も可能です。

★月々の健康保険、厚生年金保険料の算出方法

健康保険保険料額(40歳未満の場合)
=標準報酬月額×健康保険料率(平成23年3月より東京9.48%)/2(=労使折半)
厚生年金保険料額
=標準報酬月額×厚生年金保険料率(平成23年1月現在16.058%)/2(=労使折半)

最後に、雇用保険料についても説明を加えておきます。
雇用保険料については、賃金の支給があるごとに控除が発生します。社会保険のように翌月から徴収するといった手続きはありません。

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現場で事故が!

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question

弊社は建設業を営んでおります。先日、建設現場で、事故が発生しました。
現場では、弊社が元請けとなり、複数の下請けが作業に従事しています。下請けの従業員が、作業中事故に遭ったようです。この場合、死傷病報告書は弊社元請けが提出するのでしょうか?

anser

労働安全衛生法では、建設現場を含め、事業者は労働者が労働災害等により死亡したり、休業したときは、遅滞なく労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督書に提出するよう定めています。
(施行規則97条)
したがいまして、現場で発生した事故についても、死亡事故であったり休業を要する事故であれば、 死傷病報告書を提出する必要が生じます。
そこで問題になるのは、誰が提出するのかです。
元請けと下請けにより業務が行われている場合、提出義務者は誰になるのでしょうか。
安全衛生法第2条では、事業者の定義を労働者を使用する者としていますから、事故にあった労働者が、元請、下請どちらに雇用されているのかによって、提出義務者が変わることになります。
結果、今回のご相談では、下請けの労働者のついて、事故が発生したようですので、下請け事業主さんが死傷病報告書を提出することになります。

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死傷病報告書のチェックポイント
1)提出義務者は、事業者(労働者を使用する者)。
2)所轄労働基準監督に提出。
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