◆副業先の業務に起因する疾病について◆
人事担当者です。
弊社の従業員で、副業先の業務に従事していたときに、
副業先において疾病の原因となる出来事があったそうです。
しかし、該当の疾病が発症した時点で副業先を退職して現在に至ることが分りました。
こういった事情の場合、この従業員は複数業務要因災害の対象となりえるのでしょうか。
一般的に、複数業務要因災害とは、
【複数事業労働者】の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡を示します。
複数事業労働者については、まず、個々の就業先の業務負荷のみで業務災害に該当するか否かを判断します。
次いで、個々の業務負荷のみでは業務災害に該当しない場合には、複数就業先での業務負荷を総合的に評価することによって、複数業務要因災害として保険給付の対象となるか否かを判断されます。
なお、前述の【複数事業労働者】には、【これに類する者】も含むとされています。
【これに類する者】とは、負傷、疾病、障害又は死亡の【原因又は要因となる事由が生じた時点】において事業主が同一でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者が該当するとされています(則5条)。
そのため、負傷、疾病等の発生時点で複数事業に従事していなくてもよいといえます。
ご質問の事例を検討すると、副業をしていた時点で、疾病の要因が認められるようでしたら、疾病の発生時点に副業をしていたか否かは問題ならず、複数業務要因災害の対象となる可能性はあるといえます。
※本文章は、2021年1月に寄稿しています。
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