第12回◆復職後の賃金を減額できる?◆
人事担当者です。
休職中の従業員を復職させるにあたって、一定の期間、健康状態に配慮するため、従来の職務より軽易な職務に従事してもらい様子を見ようと検討しています。そこで、復職後の賃金の取り扱いについて、職務に応じた賃金に減額することは可能でしょうか。
賃金額の決定に際し用いられる要素には様々なものがありますが、大きく分けると一般的には、次のようなものが挙げられます。
①本人が有する能力(職能)に応じた賃金決定 (職能給)
②本人が従事する職務に応じた賃金決定 (職務給)
③成果に応じた賃金決定 (成果給)
従事する職務が変わった場合に、賃金の変更が予定されているものは、職務と賃金が関連している②の職務給と言えます。反対に、①の職能給は、保有する能力に応じて、賃金が決定されるため、職務と賃金が関連しておらず、職務の変更を理由に、賃金を引き下げることは難しいといえます。
上記のように、職務の変更に伴い、賃金を一方的に減額することは、賃金の決定方法によってその有効性の判断がわかれるところですが、事前の労働者の同意が取れていれば、賃金の減額をすることは認められます。当然ながら、本人が自由な意思の下に同意する必要がありますから、脅すような発言で無理やり同意しているようなことがないように注意が必要です。
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