千鳥ヶ淵研究室

第406回 ◆過半数労働者の選出について◆

Q.人事担当者です。弊社では4月起算で36協定届を毎年提出しています。今年も時期が近づいてきたので準備をしているのですが、昨年まで過半数代表者に指名していた方が先月に退職してしまいました。
そのため、新しい過半数代表者の選出する必要があります。その際に気を付けることを教えてください。


A. 36協定届などに記載する労働者の過半数代表者を選任する際は、その人が過半数代表者としてふさわしいかどうか以下の要件に注意して確認しましょう。

①過半数代表者は労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者以外で選任しましょう。
管理監督者とは、一般的には部長や工場長など、労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。
ここでの管理監督者の基準に明確な規定はなく、例えば「係長以下の者とすること」のような線引きがあるわけではございません。
あくまでも実態での判断にはなりますが、一般的には役職を持たない社員を任命するのが望ましいです。

②過半数代表者を選出するための方法は、民主的な手続きによって行いましょう。
「民主的な手続き」とは、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確であり、
かつ使用者の意向が反映されていないことが大切です。
例えば、最終的には労働者の投票で決定されていたとしても、その過半数労働者が使用者からの推薦を受けていた場合は、
その時点で使用者の意向が反映されており、正しい手続きとは言えなくなります。
代表的な決定方法としては投票や挙手などがありますが、例えばメールなどを用いて投票を行う場合は、
投票に参加しない労働者に対して、直接意向を伺うなど対応の必要があるでしょう。


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