第1章 第1節 在宅勤務の定義

第1章 在宅勤務

第1節 在宅勤務の定義

千鳥ヶ淵研究室 主任研究員 高嶋茂雄

1、在宅勤務の定義、テレワークの定義

テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」(厚生労働省)をいう。テレワークは、ICTをつかって、所属する事務所のオフィス以外で勤務することを総称するものと言える。

テレワークには、主に次のような種類がある。

・在宅勤務
主に自宅で勤務するテレワーク 在宅勤務の導入目的によっては、従業員の実家なども自宅に準じた場所として扱われることがある。

・モバイルワーク(モバイル勤務)
移動先や移動中、顧客先、喫茶店など事業場外で勤務するテレワーク

・サテライトオフィス勤務
「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」といったオフィススタイルの小規模スペースで勤務するテレワーク

2、在宅の範囲

テレワークのうち在宅勤務については、在宅での働き方の範囲や、契約形態の範囲によって違いが見受けられる。ここでは、その違いを整理しておく。

・在宅勤務での働き方の範囲

在宅勤務には、終日在宅と部分在宅がある。

【終日在宅】
1日の労働時間すべてを在宅で勤務する形。会議やミーティング、顧客との商談についてもオンラインで行う。

【部分在宅】
1日の労働時間の一部を自宅で勤務し、他方、会議や商談については、外出し訪問することがある。

この他、常態として在宅勤務が前提となる就労と、利用回数に制限のある在宅勤務が見受けられるが、これらは在宅勤務の導入目的によって、使い分けがなされるものと考えられる。

・働き方契約形態の範囲

在宅勤務という働き方でも、その契約形態は複数存在する。例えば、雇用契約によるもの、業務委託などが考えられる。就労場所の違いはあるが、契約形態ごとに適用される法律を遵守する必要がある。特に雇用契約であれば、オフィスで勤務する場合と同様に労働時間の把握や、労働安全衛生管理などが求められる。

・在宅勤務導入時の心構え

在宅勤務の導入に際しては、予めその導入目的や求める効果を明確にし、目的に沿った設計を行い、導入後もその効果を分析しながら、効果的な制度に更新して行く必要がある。つまり、「在宅勤務を導入すること」が目的とならないようすることが重要な心構えである。

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