千鳥ヶ淵研究室

第402回 ◆高年齢者雇用安定法の改正について◆

Q.人事担当者です。
2025年が始まりましたが、今年は人事労務関連の法改正が多くあると聞いています。その中で高年齢者雇用安定法関連の改正点について教えてください。


A. 令和7年(2025年)4月1日より、企業は労働者が希望する場合は全員に対して65歳までの雇用機会を確保しなければいけなくなります。
高年齢者雇用安定法は直近では2013年に改正がされており、今までも定年を65歳未満に定めている企業については以下の3つのうちいずれかの措置を講じることが義務付けられています。
① 65歳までの定年の引き上げ
② 65歳までの継続雇用制度の導入
③ 定年の廃止
このうち多くの企業にとって関係する継続雇用制度の導入について、
現在は2013年時点で継続雇用制度の対象者を限定する旨を労使協定で定めていた場合は、
老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢を段階的に引き上げることで
引き続き継続雇用制度の対象者を限定することができましたが、
この経過措置が今年の3月31日に終了することになりました。
そのため、今年の4月1日からは定年を65歳未満の年齢で定めていて
かつ①や③の措置を講じていない企業は必ず65歳までの継続雇用制度の導入が必要となります。

ちなみに、「労働者が希望する場合に必ず65歳までの雇用機会の確保が必要となる」ことから
希望しない労働者について65歳までの就労機会を確保する義務はありません。
また①~③のうち1つの措置を講じればよいということに変更はありませんので、
既に別の措置を講じている場合は現在の運用のままで問題ありませんが、
その場合も現在使用している雇用契約書や就業規則の記載内容を確認し、
法改正に即した文言になっているかもう一度見直してみるのがよいでしょう。


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