第65回◆出張中の労働時間は何時間?◆

第65回◆出張中の労働時間は何時間?◆

人事担当者です。この度、弊社のスタッフに出張をお願いすることになりました。出張先は、交通手段に乏しく、移動時間だけでも相当を要します。
また、実際の就業時間も不正確です。このような場合、労働時間はどのように算定すべきでしょうか。

 


出張にかかる移動時間は、特別な事情がある場合を除けば、労働時間には当たらないと考えられます。
そのため、出張の当日をおよそ移動時間で終わらせてしまった場合、労働時間が極めて短くなり、それに応じて賃金も減ってしまう可能性があります。
業務命令により遠方まで出張したにもかかわらず、賃金が減ってしまっては、労使ともに悪影響となるでしょう。
そこで一般的には、出張時の労働時間が算定し難い場合、移動時間を含めて「所定労働時間労働したものとみなす」いわゆる「事業場外みなし」制度を適用することが多いようです。

 


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第64回◆試用期間中の社会保険の取り扱い◆

第64回◆試用期間中の社会保険の取り扱い◆

企業の人事を担当しています。この度新しくフルタイムで働く社員を採用することになり、試用期間として2か月間の有期雇用契約を締結しようと考えています。2か月以内の有期雇用契約を結んだ場合は社員を社会保険に加入させなくてよいと聞きましたが、今回採用する新入社員も社会保険に加入させなくてよいのでしょうか。

 


2か月以内の有期雇用契約を締結した場合であっても、その期間を試用期間として取り扱う場合には入社日から社会保険に加入させる義務があります。
社会保険の適用除外となる要件の一つとして「2か月以内の期間を定めて使用される者」が規定されていますが、これは2か月以内に雇用関係が終了することが明白な、あくまで臨時的に雇い入れる労働者を対象としています。
一方で、試用期間とは一定期間が経過した後も引き続き雇用することが前提となっているため、この要件には該当しません。
そのため、今回のように試用期間として2か月以内の契約期間を定めた場合であっても、入社日から社会保険に加入させる義務が発生します。


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第63回◆36協定の限度時間 建設業にはないって本当?◆

第63回◆36協定の限度時間 建設業にはないって本当?◆

建設の事業を営む経営者です。当社も納期が近づくと、どうしても残業が必要になるため、36協定を締結しています。あるとき友人が「建設業には、残業時間の上限がない」と話してくれました。ほんとうなのでしょうか?

 


36協定では、1ヶ月や1年といった一定期間ごとに延長できる労働時間の長さを定めます。
このとき、延長できる時間には、基準が設けられており、その基準に定められた時間を超えて延長することができないこととされています。

この基準では、次の通り延長できる時間の上限を設けています。
1ヶ月45h 1年360h

ただし、工作物の建設等の事業や自動車の運転の業務、新技術、新商品等の研究開発業務などの場合に限って、上記の基準が適用除外とされています。

したがって、建設業の場合、上記基準は適用されず、企業が自主的に定めた時間を上限とすることになります。

 


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第62回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

第62回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

近年、耳慣れない専門用語が、数多く出現しています。
ここでは、労務関連の最新キーワードを紹介し、その意味を解説したいと思います。
今週のキーワード

『ふるさとテレワーク』


ふるさとテレワークとは、都市部に拠点を設ける企業が、地方に人材や仕事を移して行うテレワークのことで、地方の移転先や委託先で都市部にいるのと変わらない働き方を実現する取り組みをいいます。
 地方に整備したサテライトオフィスやテレワークセンター、個人宅などで働くことを前提として、都市部の人材を地方へ派遣し、U・Iターンを促したり、地方在住の人材を新たに活用する効果が期待されます。総務省では、都会から地方へ、人や仕事の新しい流れを創出することで東京一極集中を是正し地方創生に資するために、ふるさとテレワークの推進に取り組んでいます。


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第61回◆通勤災害が発生した際の事業主補償◆

第61回◆通勤災害が発生した際の事業主補償◆

企業の人事を担当しています。従業員が通勤災害に遭い4日以上休業しました。休業給付の対象となりそうですが、待機期間の3日間の賃金について事業主として補償する義務はあるのでしょうか。

 


 通勤災害により休業し、休業給付が支給されない3日目までの待機期間について、事業主は法律上当然に賃金を補償する義務はありません。

 本来、労働基準法では「業務災害」が原因で賃金を受けられない労働者に対し、使用者が休業補償を行うことを義務づけています。一方、労災保険等によりその義務に対応した給付が行われる場合には、当該義務が免除されることとなっています。

  このため、業務災害により休業補償給付の対象となった場合は、使用者には待機期間の3日間についてのみ休業補償を行う義務が発生します。しかし、通勤災害の場合はもともとの労働基準法において事業主として休業期間の賃金を補償する義務が定められていません。そのため、通勤災害により休業給付の対象となった場合の待機期間について、事業主がその期間の賃金を補償する義務は当然には発生しないことになります。


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