第31回◆労働基準法が改正される? 3◆
人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。
労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。
1.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
(2) 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
【概要】
時間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にするとされています。具体的には、
a) 労働時間の延長を適正なものとするために厚生労働大臣が定める基準(以下「限度基準」という。)を定めるに当たり考慮する事項として、労働者の健康を追加するものとすること。
b) 限度基準に関する行政官庁の助言及び指導に当たり、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならないものとすること。
三六協定に定める延長できる時間(時間外労働時間)については、厚生労働大臣が定める基準である「限度基準」が上限とされています。
従来この上限を検討する際は、「労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情」等を考慮して検討するとされていましたが、改正案では、「労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情」等が追加されます。
過重労働等により健康障害を引き起こすケースが増えている近年の事情に即した改正といえます。
また、改正案b)により、直接的な法改正ではありませんが、特別条項の様式が設けられる、記載内容に「健康確保措置」が追加されるなどが見込まれています。引き続き、改正案の状況を注意深く見守る必要があるようです。
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