第367回◆育休終了時改定の届出について◆

◆育休終了時改定の届出について◆

企業で人事を担当しているものです。
今年5月に復職をした社員から復職後1年は時短勤務の希望があり、それに伴い復職以降の3か月間の給与額給与額も下がっている状態です。
この場合、その他育児休業終了時改定の要件に該当していれば届出を作成次第会社側で提出してしまってよいのでしょうか。


育休終了時改定の届出は育児休業等終了時に3歳未満の子を養育している被保険者からの申出により届出るものとなります。
そのため、会社側の判断のみで提出することはできず、該当の被保険者に終了時改定について説明の上、届出についての意思確認を行う必要があります。
意思確認を行う主な理由として、以下の点が挙げられます。

①厚生年金保険料の支払額が減ったことになるので、将来受け取るはずの年金額が減ってしまう
→厚生年金の支払額が減ったとしても、減る前の従前の等級額を納付したとみなして年金額を計算してくれる制度である、「養育期間標準報酬月額特例」を利用することで解決できます。

②標準報酬月額から計算される 健保給付金の金額の減額
→年金のように将来に影響するものではありませんが、出産手当金・傷病手当金のような健保給付の金額は上記年金の養育特例のような措置はありませんので、育休終了時改定で決定された標準報酬月額が給付額に直結します。
万が一病気になったときや、2人目以降の出産を考えている人にとっては、デメリットと言えるでしょう。

※本文章は2023年8月に寄稿しています。


労務管理に関するトータル的なリーガルサービスをご提供!
労務顧問サービス
https://www.kobayashiroumu.jp/service/personnel-and-labor