第39回◆時間単位年次有給休暇って1◆

第39回◆時間単位年次有給休暇って1◆
年次有給休暇を時間単位で取得できる制度があると聞きました。具体的に教えてください。


 

 

平成22年4月より、次有給休暇の取得促進を図るため、年次有給休暇について5日範囲内で時間単位で取得できるよう時間単位年次有給休暇制度が設けられました。

時間単位年次有給休暇を導入するためには、次の事項について労使協定を締結する必要があります。
 ①時間単位年次有給休暇の対象労働者の範囲
 ②時間単位年次有給休暇の日数(最大で5日)
 ③時間単位年次有給休暇の1日あたりの時間数
 ④1時間以外の時間を単位とする場合の時間数

本協定は、労働基準監督署への届け出を必要としませんので、社内で保管し、適切な周知を行うことが必要です。

 次回は、労使協定の内容について詳しく見ていきましょう。


 

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第38回◆労働基準法が改正される? 8◆

第38回◆労働基準法が改正される? 8◆
 人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
 具体的な改正内容を教えて下さい。


 

 

労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。

 

2.多様で柔軟な働き方の実現
(3) 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
【概要】
 職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正も含まれます)
 紙面をにぎわせた、いわゆる残業代ゼロ法案といわれている改正案です。
労使委員会の決議により、一定の要件を満たす労働者の「労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外」とする改正案です。
対象労働者の範囲は、次のものが予定されています。
①対象業務の範囲
 高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務
例 金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務、コンサルタント業務、研究開発業務 など
②対象労働者
 対象業務に就く、次のいずれにも該当する者
(1)使用者との間の書面等の方法による合意に基づき職務が明確に定められていること
(2)年収について、「1年間に支払われることが確実に見込まれる賃金の額が、平均給与額の3倍を相当程度上回る」水準として厚生労働省令で定める額以上であること

この法案では、この制度の導入にあたって、対象となる労働者の同意が必要とされており、企業が強制する子はできないようになっています。また、過重労働に繋がらないよう、健康福祉に関する措置も具体的に定められるようです。

 


 

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第37回◆労働基準法が改正される? 7◆

第37回◆労働基準法が改正される? 7◆
 人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
 具体的な改正内容を教えて下さい。

 


 

労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。
2.多様で柔軟な働き方の実現
(2) 企画業務型裁量労働制の見直し
【概要】
 企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加するとともに、対象者の健康確保措置の充実や手続の簡素化等の見直しを行う。
 改正案では、従来の企画業務型裁量労働制の対象業務「①事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析」に、新たに次の2つの業務を追加する予定です。

②事業の運営に関する事項について繰り返し、企画、立案、調査及び分析を行い、かつ、これらの成果を活用し、当該事項の実施を管理するとともにその実施状況の評価を行う業務

③法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を行い、かつ、これらの成果を活用した商品の販売又は役務提供に係る当該顧客との契約の締結の勧誘又は締結を行う業務

また、企画業務型裁量労働制の導入にあたって、労使委員会が決議する健康・福祉確保措置に関する事項に次のものが追加される予定です。
①代償休日又は特別な休暇の付与
②健康診断の実施
③連続した年次有給休暇の取得促進
④心と体の健康窓口の設置
⑤配置転換
⑥産業医の助言指導に基づく保健指導
【追加見込み】
+長時間労働を行った場合の面接指導
+深夜業の回数の制限
+勤務間インターバル
+一定期間の労働時間の上限設定 などを含めて検討

 


 

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第36回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

第36回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

近年、耳慣れない専門用語が、数多く出現しています。
ここでは、労務関連の最新キーワードを紹介し、その意味を解説したいと思います。

今週のキーワード

『BYOD』


 

 

BYODとは、私用のスマートフォンやタブレットを職場に持込、仕事や業務に活用することをいいます。
Bring Your Own Device の頭文字をとって、「BYOD」と総称されます。
自身が使い慣れた端末を利用することで、業務効率のアップを図る側面がある反面、セキュリティ上の課題も多く、企業によって賛否がわかれる。


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第35回◆労働基準法が改正される? 6◆

第35回◆労働基準法が改正される? 6◆

 人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。 


 

 

 さて、前5回で「長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等」に関する改正案を中心に説明いたしました。
第6回目の今回からは、「多様で柔軟な働き方の実現」に関する改正案をみることにしましょう。

2.多様で柔軟な働き方の実現

(1) フレックスタイム制の見直し

【概要】

 フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長されます。
これに伴い、1ヶ月を超える清算期間を設けたフレックスタイム制の労使協定は、労働基準監督署への届け出必要になりますので、注意が必要です。
なお、この他にも、清算期間の延長に伴い、中途採用者や退職者の賃金清算に関する事項、曜日めぐりによる法定労働時間の総枠を超えうる課題の解消について、改正案が提案されています。

 


 

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第34回◆労働基準法が改正される? 5◆

第34回◆労働基準法が改正される? 5◆

人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。


 

 

労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。

1.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等

(4)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

【概要】

 企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組を促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとされました。
 

 従来より労働時間等設定改善法では、労働時間等設定改善企業委員会について、労使協定の一部を代替決議できる旨の権限が与えられていました。改正案では、事業所単位から企業全体を通じた委員会の決議により、年次有給休暇の計画的付与、代替休暇、時間単位年休に関する労使協定を代替することが可能になりました。

 これにより、複数の事業所を有する(本支店や営業所、工場など)企業が、事業所を足並みを揃えて、休暇の促進や労働時間の削減など自主的な取り組みを行うことが出来ます。

 

この他にも細かい点について改正が行われる予定ですので、引き続き動向に注意が必要です。


 

 

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第33回◆労働基準法が改正される? 4◆

第33回◆労働基準法が改正される? 4◆
 人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。


 

 

 

 

労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。

 

1.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等

(3)一定日数の年次有給休暇の確実な取得

【概要】

 改正案では、使用者(企業)は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないことととされました。

 例えば、入社後6ヶ月を経過し、10日の年次有給休暇が付与された場合、1年以内の範囲で、予め5日間の年次有給休暇を取得する日を指定しなければなりません。この指定は、企業が行うわけですが、指定にあたっては、労働者の意見を聴くことが求められ、その意見を尊重するよう努力義務が課せられています。
 

この改正案に沿うと、繁忙期に年次有給休暇の希望が集中してしまうこともかんがえられます。
 ただし、改正案では、労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はないとしています(つまり、計画的付与で3日間付与した場合は、残り2日間を時期指定して付与すれば足りることになります)。

 

 多くの企業で、対応に苦慮されるのは本改正案ではないでしょうか。場合によっては、計画的付与ラッシュが起こるかもしれません。


 

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第32回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

第32回◆最近耳にする専門用語、どんな意味?◆

 

近年、耳慣れない専門用語が、数多く出現しています。
ここでは、労務関連の最新キーワードを紹介し、その意味を解説したいと思います。

今週のキーワード

『EAP』


 EAPとは、主に企業におけるメンタルヘルスケア、カウンセリング、休職者の復職支援などの支援活動のことを指します。従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)の頭文字をとって、「EAP」と総称されます。

 

精神的な疾患等で休業を余儀なくされるケースも多く、復職に向けた支援は、企業にとって重要なアプローチとなっています。

 


 

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第31回◆労働基準法が改正される? 3◆

第31回◆労働基準法が改正される? 3◆

 人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。

 


 

労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。

1.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等

(2) 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設

【概要】
 時間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にするとされています。具体的には、

a) 労働時間の延長を適正なものとするために厚生労働大臣が定める基準(以下「限度基準」という。)を定めるに当たり考慮する事項として、労働者の健康を追加するものとすること。

b) 限度基準に関する行政官庁の助言及び指導に当たり、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならないものとすること。

三六協定に定める延長できる時間(時間外労働時間)については、厚生労働大臣が定める基準である「限度基準」が上限とされています。

従来この上限を検討する際は、「労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情」等を考慮して検討するとされていましたが、改正案では、「労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情」等が追加されます。

過重労働等により健康障害を引き起こすケースが増えている近年の事情に即した改正といえます。

 

また、改正案b)により、直接的な法改正ではありませんが、特別条項の様式が設けられる、記載内容に「健康確保措置」が追加されるなどが見込まれています。引き続き、改正案の状況を注意深く見守る必要があるようです。

 


 

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第30回◆労働基準法が改正される? ②◆

第30回◆労働基準法が改正される? ②◆
人事担当者です。とある紙面で、労働基準法の改正が国会で議論されているとの話を読みました。
具体的な改正内容を教えて下さい。
 
 
労働基準法の改正案の中身について、具体的に見ていきましょう。
 
1.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
 (1)中小企業における月60時間超の時間外労働対する割増賃金の見直し
 
 
【概要】
 平成22年の労基法一部改正により、一月あたり六〇時間を超える時間外労働に対して、50%以上の割増率が導入されました。このとき、中小企業に限っては、その施行は猶予されていました。いよいよ本改正により、中小企業に対しても割増率50%以上が適用されることとなります。
なお、現在は、①又は②いずれかに該当する場合、中小企業として適用が猶予されています。

①資本金の額または出資の総額が
小売業  5,000万円以下
  
サービス業5,000万円以下
  
卸売業    1億円以下
  
上記以外   3億円以下
 

②常時使用する労働者数が
  
小売業    50人以下
  
サービス業 100人以下
  
卸売業   100人以下
  
上記以外  300人以下

注意:事業場単位ではなく、企業(法人又は個人事業主)単位で判断します。
 
 
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